府中駅から徒歩11分、昭和レトロな雰囲気が魅力の晴見町商店街にある『たい焼きちあき』。
創業は昭和30年、府中の街で40年以上の歴史を持つたい焼き屋さんです。
同店のたい焼きは、国内でも珍しい一つずつ独立した鉄の型で焼き上げる「一丁焼き」という伝統的な手法で、一つ一つじっくりと焼き上げています。直火で焼き上げるため、薄皮でふっくらとした食感が楽しめるのが特長だそう。
焼き型を見せて頂くと、きれいな鯛の形に彫られていました。一本2Kgあるそうです。こちらに生地を流し込み、あんこをのせ、その上に生地をかぶせて型で挟み、回転させながら焼き上げます。一般的な複数の型がつながっているタイプと比べて、一度に作る数が限られてしまうため、この焼き方をされているお店は貴重だそう。また、焼き方のコツをつかむまでに2年ほどかかるそうです。
こちらが同店の「たい焼き(小倉あん)(150円)」。薄くふっくらとした皮の中に、たっぷりとあんこがつまっています。北海道十割産あずきの風味を活かした甘さ控えめのあんこは、とっても美味♪ペロリと食べられちゃいます。焼き立てをふぅふぅ頂くのも美味しいですが、同店のたい焼きは、冷めても味がかわらず美味。創業からずっとかわらぬ味を守り続けているそうです。
和栗の持つ上品な甘さと風味がしっかりと感じられる「栗あん(150円)」や、濃厚で香り豊かな「カスタード(150円)」も人気です。2月のバレンタインの時期には、期間限定で「チョコレート」も登場したそう。
「「笑顔と感謝」が座右の銘」と語る店主の今村寛さん。「移転後もかわらず足を運んで下さるお客さまに感謝しています」と話して下さいました。
実は今村さんは、元・漫画家というユニークな経歴の持ち主。お父様とお姉様が漫画家という漫画家一家で育ち、その影響で今村さんもずっと漫画を描かれていたそうです。奥様のお父様がたい焼き屋さんを営んでいたことから、お店を手伝う中でこの仕事の楽しさに目覚め、以来ずっとこの仕事一筋です。
こちらは、今村さんが描いた絵がプリントされた手ぬぐいです。落語家の友人の初舞台のために描かれた絵だそう。手元に残っている作品はこれだけだそうで、貴重な一枚です。
店内には、漫画家であるお姉様の今村洋子さんが描かれた愛らしい子どもたちの絵や「11ぴきのねこ」の作者・馬場のぼるさんの直筆画が飾られていました。また、「プレイボール」、「キャプテン」などの野球漫画で人気を博した漫画家のちばあきおさんのイラスト入りサイン色紙も。以前は、「あしたのジョー」を描かれたお兄さんのちばてつやさんのサイン色紙も飾ってあり、ファンの方が写真を撮りに来ることも多かったそうです。
優しい笑顔の今村さんが焼き上げる一丁焼きのたい焼きを、みなさんもぜひ食べにいらして下さいね。
※ 価格は全て税込
たい焼きちあき
042-361-8416
府中市晴見町1-15-17 (地図)
11:00~19:00
定休日 なし
駐車場なし
※記事は2016年5月時点のものです。